漢字の「八」っぽいものからバツ印まで!
3)DS 7 CROSSBACK
3台目は、芸術に通じている人が見たら「おや?」と思うかもしれない、DS 7 CROSSBACK。DSというブランドはシトロエンから独立したのですが、その意義として「クルマが身にまとうアヴァンギャルド、前衛の精神『Spirit of Avant-Garde』を受け継ぎ、フレンチブランドだけが成し得るラグジュアリーをキーワードとしたフランスの自動車文化を復活させること」を掲げています。なので、DS 7CROSSBACKの内外装には、フランスが古くから世界に影響を与えてきた芸術作品や技術を用いたデザインが散りばめられています。
そのひとつに、高級腕時計の文字盤加工にも用いられる「クル・ド・パリ」のモチーフがあって、いちばん分かりやすいのは、インテリアのセンターコンソールのトグルスイッチ。もう、アート作品のように美しいインテリアです。
で、そのイメージを外観で表現している部分として、フロントグリルとともにテールランプにも「クル・ド・パリ」的なモチーフがデザインされているんです。パリの石畳からインスパイアされた、薄いピラミッドを重ねたようなデザインの「クル・ド・パリ」。後ろ姿を見ているだけで、パリへと飛んでいきたくなってしまうかもしれないですね。
4)ジープ・レネゲード
4台目は、ミリタリー系のファッションや雑貨などが好きな人なら一発でわかる、ジープ・レネゲードのテールランプ。意味を知らない人は「バツ?」「エックス?」と首を傾げるかもしれませんが、いえいえ、違います。ジープと言えば米軍御用達の4WDですから、この「X」印はもちろん、米軍がガソリンを運搬する時に使ったという「ジェリカン」(ジェリィカンとも言う)の横にあしらわれていた「X」印をモチーフにしたもの。ミリタリー系ファッションにはこのワッペンが縫い付けてあったりしますので、お馴染みのモチーフですよね。
ちなみになぜこのX印が缶の横につけられたのかというと、内容物が多少膨張しても許容できるように、とのことだったようです。昔の人の知恵ですね。レネゲードにはこのほかにも、内外装のいろんなところに遊び心あふれるデザインが仕込んでありますので、時間があればチェックしてみて欲しいと思います。
5)アストンマーティンDBX
5台目は、映画『007』シリーズのボンドカーとして一躍有名になったアストンマーティンから、初のSUVとして登場したDBX。このテールランプもかなりオシャレです。これで大丈夫なのかと要らぬ心配をしてしまうほど点灯部分が細く、両サイドから山の稜線のように上に向かって弧を描きます。
これが美しいのはもちろん、漢字文化の日本人から見ると、まるで一筆書きで書かれた末広がりの「八」という字のように思えて、なんだか縁起がいいのです。
また、日本を象徴する山である富士山を思い出すという人もいるほど。高級車なので街中で見かける機会は少ないかもしれませんが、それだけに、もし後ろについて走れたらその日はラッキー! なんて気持ちになれそうです。
というわけで、思わず同乗者と会話が弾みそうなテールランプの持ち主をご紹介しました。クルマ好き同士でドライブしている時に、やるとけっこう面白いのが「テールランプで車名当てクイズ」なんですが、クルマに詳しくない皆さんもぜひ、個性的なテールランプをもっと見つけて楽しんでほしいと思います。