新型ランクル300系の納期は2年以上という異常事態! 14年前の先代ランクル200系の時はどうだった? (2/2ページ)

海外偏重を強めたことも新型の納期遅延に繋がっている!

 そして先代型では、1カ月の販売目標が700台と公表されていた。一方、新型は販売目標を公表していない。開発者によると「納期が長く、販売目標も立てられない」という。背景にはコロナ禍による半導体などパーツの滞りもあり、納期遅延の原因は単純ではないが、新型が従来型以上に海外偏重を強めたことも影響しているだろう。

 納期が2年以上では、納車されるまでに、転勤などによってユーザーの住所が変わっている可能性もある。中古車にプレミアム価格が付くかもしれない。

 そこで販売店はトヨタの指示により、購入時には転売しない趣旨の誓約書を書かせるが、販売店によると「転売を差し止める強制力はない(クルマは私有財産だから当然だ)。転売目的とわかったのが納車前なら、契約をキャンセルさせていただく。納車後であれば、その後の取り引きを停止させていただく」という。取り引きの停止といっても、要は「クルマを売らない」ことだから、転売を抑止するほどの影響力はないだろう。

 以上のように需要に見合う生産をしないと、納期が長引いてユーザーを困惑させ、プレミアム価格による中古車販売など市場の混乱も招く。コロナ禍の影響を考慮しても、ランドクルーザーは、顧客に寄り沿うトヨタらしからぬ売り方になっている。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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