ヒエラルキーが上がればさまざまな特典が得られる!?
スペチアーレのほかに、現在ではカスタマーの希望によるワンオフモデルや、数台を限定生産するフューオフモデルの生産もフェラーリでは行われているが、そのオーダーもカスタマーにそれなりのヒエラルキーがなければ受け付けてはもらえない。ほかの企画で、両プロジェクトのチームは常に多忙を極める状態だからだ。
通常の限定車やシリーズモデルも、これまでどれだけのフェラーリを購入したか等々によって、納車の順番は変わるようだ。このあたりの事情はランボルギーニもまた同じ。最初にデリバリーを受けたカスタマーは、新車時の価格とほぼ同額でそれを売却することも可能というから、ある程度のヒエラルキーに達したオーナーは、意外と経済的にスーパーカーを乗り継げるのかもしれない。
そこで気になるのが、フェラーリやランボルギーニを購入した客が、もしも愛車を修理している時や車検時に用意される代車は何? というもの。だいたいフェラーリやランボルギーニのオーナーが、クルマをそれ1台しか所有していないとは考えられないから、一般的な動きとしては自宅にクルマをピックアップしに行き、トランスポーターで回収。代車の希望は国産車などよりは多くないと予想できる。
かつて大きな話題となったのは、代車用に10台のアバルト695トリブート・フェラーリが日本で使用されたことがあること。
日本ではアバルト(FCAジャパン)とフェラーリ(フェラーリ・ジャパン)と会社は異なるが、フェラーリのオーナーにも日常使いに優れるアバルト、そして695トリブート・フェラーリのパフォーマンスを体験してもらおうという目的があったことは確かである。
ちなみにアバルト695トリブート・フェラーリは、現在コレクターズ・アイテムとして非常に高い人気を誇る。
ランボルギーニの場合は、ランボルギーニ・ジャパンが代車は現行アウディのモデルの一定ランク以上(おそらくはA6以上と思われる)と決めているらしい。これらのモデルの整備ともなると、時間もかなり必要になるだろうから、オーナーのステイタスを考えてもそれなりのモデルを用意しなければならないのだろう。
スーパーカーを買うなら新車を正規ディーラーで。自分のステイタスを高めるための確実な第一歩を踏み出しても、たぶん生きている間に、ピラミッドの頂点に達することはないのだろうなぁ。それが少しだけ悲しい。