陸運局に持って行くでもなければ新車でもないクルマは?
新車以外であれば、民間車検場という制度がある。これは国から車検業務を委託されているという形になり、ディーラーや街の修理工場、カー用品店のピットなどが取得していて、文字通り、そこで車検を取ることができる場所だ。もちろん点検のようにザッと見て、問題なければ車検をパスできるものではなく、検査設備や陸運支局の検査員と同じ資格を持ったスタッフを確保して検査を行う必要がある。
この資格をもったスタッフは整備士資格や一定の実務経験が必要で、講習と試験を経て得ることができる。また国の業務を代行して行うので、身分的にはみなし公務員となる。
民間車検場でもパスすれば車検継続などとなるが、問題は車検証で、もちろん民間車検場で発行できるものではない。必要書類を送るなりして、後日発行してもらうことになるが、その間は民間車検場で通したことを示す書類をウインドウの上部に貼って対応する。たまに街でも見かけるはずだ。
この民間車検場での検査は、不正を防ぐために、抜き打ち検査や査察が行われるが、あとを立たないのが、書類だけでパスさせたり、基準に達していないのに合格とする、いわゆる闇車検だ。ペーパー車検とも呼ばれるが、自社内で行うので、発生しやすいし、日常業務との兼ね合いで甘くなることもありうる。ディーラーでの車検不正が発覚して話題になったが、行っていたのはまさにこれだ。