カセットテープは熱で伸びてしまうことも
1970年代に入ると、大きな8トラは姿を消していき、代わりにカセットテープ、つまりコンパクトカセットが普及していく。録音や再生、上書きなどが自由かつ簡単にできることから、最近もまた復活の兆しがあるとして話題になっているもので、すでに50年ぐらいの歴史があることになる。安価なノーマルポジションやハイポジションに加えて、高価ながら高音質なメタルテープなど、こだわりのポイントもあった。
カセットテープの時代は、デートのBGMに音楽が欠かせない時代にもなっていて、FMから録音するエアチェック(曲の最初から最後まで全部かけてくれた)や、自分で好みの音楽を編集するオリジナルテープを作るのも流行った。ちなみに炎天下の車内にカセットテープを放置すると熱で伸びてしまったものだが、熱に強いテープというのも登場したほどだ。
次に登場したのがCDで、これは現在でもあるし、カーオーディオでも対応している機種もある。ただ、カセットからCDに直接移行したわけではなく、その間にあるのが、デジタルカセットだ。DATを皮切りにして、ソニーがMD(ミニ・ディスク)、フィリップスと松下電器の共同開発でDCC(デジタル・コンパクト・カセット)が登場。
デジタル方式で、カセットサイズは小さくて扱いやすいのが特徴で、ビデオのVHSとベータのようなしのぎを削ったが、結局、MDに軍配が上がったし、純正オーディオを見ても、MDプレイヤーを搭載した機種は多かった。ちなみにMDも今や姿を消してしまったと思われがちだが、今でもソニーが販売をしている。
現在はというと、カーオーディオで見る限りはMDは消滅、CDはまだなんとか健在。そして各自動車メーカーが力を入れる、コネクトによるダウンロード再生が一般的になっている。今後はどうなるのか? 当分コネクトの時代が続くのは確かだが、そのコンテンツの進化に注目だ。