料金踏み倒しの心配はない? 利用者任せの「前払い制」のパーキングが存在する理由 (2/2ページ)

支払機、フラップ、看板などを揃えると数百万円になる

 まずは設置費の問題。地面を舗装して線を引いて、支払機と各駐車枠でのフラップ、そして料金掲示板や看板を付けると、けっこうな費用になる。もちろん規模にもよるが、数百万円にはなってしまう。ただ、中古が出回っているし、専門業者なら機器は使い回すので、かなり抑えられる場合もあるという。

 それでも100円単位の料金体系で、コストを回収するのは大変で、故障やいたずらなどでの修繕費もかかることもあって、すんなり儲けられるものではないという。マンションなどを立てるまでのつなぎということも多く、それだとなおさら。広い場所であればゲート式にしてしまった方がいい。

 ちなみに、同じような理屈で、増えている割には実際は儲からないのがコインランドリーで、フランチャイズで展開しているオーナーに聞いたところによると、問題点はコインパーキングと同じだった。しかもこちらは、ある時期から機械が頻繁に壊れて、メンテコストがかなりかかるとのこと。

 話は戻って、コストをかけるぐらいなら、人間の性善説によって、自己申告にしてくれというのが、前払い制。舗装しなければ、看板と支払機だけ。駐車場のオーナーに聞いたところによると、「防犯カメラを付けているからかもしれないけど、意外なほど逃げる人はいない。それもあって、コストはすぐに回収できる」とのこと。また「定期巡回して、ナンバーはチェックしている」という表示を付けるといいとも教えてくれた。

 場所によってだろうが、コインパーキングが飽和状態の場所もあったりして、これから増えていく可能性は十分にある。また、こういう話を聞くと、自分もなんだかやる気になってくるが、とりあえず土地を持っていないとできないので悪しからずだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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