エンジン音にも風情を感じる
最後列扉側に座ったのだが、その理由は乗車した日がとても暑いこともあったので、冷房の吹き出し口が多く、そことの距離がほかのシートより近いためもあった。吹き出し口は中心部のノブをひねるとフタが閉まって風が出なくなる方式。メッキ処理が施されており、風を出さなくする操作や吹き出し口はJバスや三菱ふそう車両よりは凝った仕上げになっている。
江戸川橋を抜け、ホテル椿山荘へ向かう時に坂を上るのだが、その時に回転が上がっていくエンジン音も、懐かしさを感じるものであり、ある意味風情のあるものであった。
椿山荘を過ぎると、各バス停から乗車してくるひとが増えてきた。そして、目白駅前で大半が降りるのだが、新たに乗車してくるひとのほうが多く、車内はかなり混み合ってきた。山手通りを越えてしばらくすると、終点の練馬車庫前に到着した。
かつてはUD車両ばかりが目立っていた白61系統であったが、練馬車庫を覗くとUD製路線バスは少なかった。
バスの生産をやめて久しいこともあり、補修部品の手配なども難しくなってきているとのことで、都バスに限らず現役を引退すると解体されるケースが多いようだ。