何から何まで超高級なロールスロイスは贅沢の極み
その観点から言うと、「贅沢装備」は英国ロールスロイスの独壇場だ。
ロールスロイス全車にオプションとして設定されている「ラゲッジ・コレクション」は、要するに専用デザインの小型スーツケース2個と連休用バッグが3個、そして衣装用ケースがセットで約500万円というオプション装備。
これには「モノを入れて持ち運ぶ」という具体的な用途があるわけだが、「何も500万円もするロールスロイスのカバンじゃなくたっていいじゃないか!」という部分を重視して、“贅沢な装備”であると認定したい。
また同じくロールスロイスの「ビスポーク・ピクニック・セット」は、屋外で使用するためのワイングラスやナイフ&フォーク類、お皿やコショウを挽くためのアレ等々がセットになったもので、お値段は300万円台。
これまた「ピクニックに使う」という具体性はたしかにあるのだが、「ニトリに行けば100分の1のカネで買えるのに!」という意味で“贅沢”と認定したいオプション装備である。
ひるがえって日本車のオプション装備もろもろを考えてみると――やはり貴族の国ではないせいか、高額であっても“実用的”な装備が目立つ。バブル期におけるY31型日産グロリアのオプション装備だった「おしぼり専用冷温機」や、トヨタ セルシオの一部パッケージに付いていた「後部座席の冷蔵庫」などがその典型と言えようか。
だがそんななかでも、日産インフィニティQ45のオプション装備として設定されていた「18Kゴールドキー」は税抜で52万円もする装備ではあったが、「具体的な意味や効用はほとんどない!」ということで、日本車用装備としては数少ない「真の贅沢装備」として認定しつつ、その栄誉を讃えたい。
この18Kゴールドキーを付けて売却すれば、リセール価格もずいぶんアップしたのだろうか? なんてことをつい考えてしまう筆者には一生、“贅沢”という概念は関係ないのかもしれないが。