自動車界きってのキワモノは名前までも声に出したくなる存在!
ちなみに「ギリシア文字そのまま読み車名」というのはランチアの各モデルでおなじみなわけだが(β=ベータ、δ=デルタ、ε=イプシロンなど)、ランチア以外のメーカーもときおり採用している。
有名なところでは1969年に作られた幻のスーパーカー「ランボルギーニ イオタ(イオタはギリシア文字の第9字母)」があり、比較的身近なところでは「三菱 ギャラン ラムダ(λ)」「三菱 ギャラン シグマ(Σ)」、あるいは「いすゞ ミュー(μ)」も「ギリシア文字そのまま読み車名」である……なんてことを考えていたら、話が完全に横道にそれた。今回のお題は「思わず声に出したくなる車名」であった。
※写真はランボルギーニ ミウラ SVR
編集部からのサジェストによると、1998年に発売された2列×3人がけシートを持つイタリアのMPV、フィアット ムルティプラの「ムルティプラ」も、思わず声に出して叫びたくなる車名らしい。
まぁあいにく私はとてつもなく学があるので、イタリア語のことはわからずとも、ムルティプラと聞くだけで「英語で言うMultiple(マルティプル=多様な、多角的な)のイタリア語版であろうな」と一瞬でわかってしまうわけだが、もしも私に学がなかったとしたら、たしかに「ムルティプラ」というのは声に出したくなる車名かもしれない。
ムルティプラ。それは南太平洋に浮かぶ小さな小さなフランス領。フランス領になる前のムルティプラ島では代々、ムチムチした体型の王様が島を治めていた。現在、公用語はフランス語とティプラ語……などという、ありもしない歴史も脳裏に浮かんでくる。
なおフィアット ムルティプラは1.6リッターエンジンを積む変な顔のMPVだが、走りは猛烈に素晴らしい車であった。またあまりにもヘンな顔であるため(私は好きですけどね)、後期型ではごくフツーの顔に変えられたのだが、今度はフツーすぎて逆に売れなかったという黒歴史を持っている。