この記事をまとめると
◾︎日本人が聞くと語感から思わず声に出したくなる車名のクルマがある
◾︎本国での意味を聞くと拍子抜けするほど普通の意味であったりする
◾︎今回はそんな輸入車2台を紹介する
思わず口に出したくなるクルマ、その名も「カッパ!」
「車名のインパクトがあまりにも強いため、思わず声に出して車名を叫びたくなる数々のクルマを紹介せよ」
それが今回、編集部から私に与えられたミッションである。私の場合、あいにくクルマの名前を叫んだ経験はないが、思わず何度も呟いてしまった車名ならばある。
たとえばランチア カッパだ。
もちろん私はひとりの自動車変態であり、そして主に中古の輸入車を扱う雑誌媒体の編集者を長らく務めていたということもあって、ランチア「カッパ」という車名に対して、いちいち男子小学生のように「やーいやーい、ヘンな名前!」的に叫んだりはしない。
だがそれでも「カッパ」という車名を見たり聞いたりするたびに、「カッパ、かっぱ、河童……。水木しげる先生の漫画じゃないんだから、さすがにクルマの名前に“かっぱ”はないんじゃないか?」と、思わずつぶやいてしまうのだ。
しかし当然、1994年から2000年まで販売されたイタリアのEセグメントセダン/ワゴンであるランチア カッパは、想像上の生き物である河童(カッパ)とは何の関係もない。
ランチア カッパの「カッパ」とは、ギリシア文字「κ」のこと。英語のアルファベットで言うkに相当する文字なので、もしも英米風に車名を表現するなら「ランチア K」という、何の面白みもヒネリもない車名になるのだ。まぁ車名に面白みとヒネリが必要かどうかは、議論が分かれるところかもしれないが。