「子どもが乗っています」ステッカーは必要か不要か? じつは1990年代に大論争が勃発していた (2/2ページ)

本来は事故時に子供を先に救出してもらうためのものだった

 さらに「乗せているときは表示して、乗せていないとき外さないと意味がない」という、会議室の在室札的な意見も出たりした。まぁ、確かにフツーに走ればいいわけで、そのうえでなにを配慮するのか? という気は今でもする。

 一方の賛成派というか、貼っている派としては、「子供を乗せているんだから、配慮してほしい」という意見が多かったし、「貼るのは勝手だろう」的なものも出て、まさにケンケンゴウゴウ。

 もちろん意見をぶつけ合ったところで、どっちに軍配が上がるわけでもなく、平行線のまま。強烈に賛同するほどの意見内容でもないのが輪をかけて、当時も結論は出なかったように思う。

 この「CHILD in CAR」の表示は、じつは海外から来たもの。ただ用途は違っていて、欧州では高速道路の平均速度が高い上に、霧が出ると多重事故が発生しやすい。もし事故に遭って車体がぐちゃぐちゃになったときに、子供を乗せているから先に救出してくれというのを伝えるというのが本来の役割だといわれている。

 今からすればどっちでもいいし、貼りたければ貼ればいいと思う。それよりも、いまだにチャイルドシートは使っていなくて、車内で動き回って遊んでいたり、助手席に子供を座らせたり。また、ひどい場合は膝の上に乗せていたりするなど、普及しないモラルについて啓蒙した方がいいのではないだろうか。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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