30km/h以上で歩行者の致死率3倍! 狭い道では死傷割合が跳ね上がる! 事故で「不幸」を招かないクルマの運転とは? (2/2ページ)

対向車線が混んでいる場合もとくに注意が必要

 1つ目は、歩行者と車両を分ける白線がない道や、白線があってもガードレールがない道。子供が数人で歩いている場合など、話に夢中になったりしていつクルマに気づかずはみ出してくるかわかりません。歩行者を追い越そうとした自転車が膨らんでくるかもしれないし、転んだり、雨の日には水たまりを避けようとしたりする歩行者もいます。そんな時にスピードを出しすぎていたら、対処が遅れて大変なことになってしまいます。

「クルマが後ろから来ていることを歩行者はわかっているだろう」という思い込みの上で運転するのは危険。歩行者や自転車がクルマの存在を認識しているかを常に確認し、何があってもすぐに停止できる速度で走るのがいちばんです。

 2つ目は、対向車線が渋滞で止まっていたり、路上駐車の車両が連なっているような道、停車中の路線バスを追い越す時なども、スピードを出すのは危険です。対向車線が渋滞している時には、その隙間から自転車やバイクがすり抜けてくるかもしれないし、もし渋滞の列の合間に横断歩道があれば、渡ろうと飛び出してしまう歩行者がいるかもしれません。

 路上駐車の車両や路線バスがいたら、追い越しても大丈夫かどうか、必ず停止して安全確認を。急いでいるからとむやみに追い越そうとすると、死角から対向車や歩行者、自転車などが向かってきて正面衝突する可能性もあります。また、一時停止の路地から侵入しようとするクルマからも、路線バスや路上駐車車両の後ろにいるクルマの存在は見えていませんから、追い越した先に路地があるかどうかも注意したい点です。

 ちなみにクルマと歩行者の事故で歩行者が死亡するケースは、夜間に道路を横断中に起きる割合がダントツに多くなっています(交通事故総合分析センターの資料より)。そして、その時のクルマが出していた速度は40km/h以上が圧倒的に多いというデータが。やはり制限速度を守って、歩行者の動きに細心の注意を払って運転することが安全運転の要と言えそうです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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