この記事をまとめると
■狭い道でスピードを出しすぎることによる危険性を解説する
■クルマの速度が30km/hを超えると事故の際の歩行者の致死率が約3倍となる
■ガードレールがない道や対向車線が渋滞している場合もとくに注意が必要
日本の道路の約84%が狭い市町村道
日本の道路の約84%は、道幅が平均3.8mという狭い市町村道です。仕事の時間に遅れまいと焦る人が多い朝や、帰宅を急ぐ人が多い夕方、渋滞発生が多い幹線道路の1本裏の道など、狭い道を歩いているすぐ横をものすごいスピードで走っていくクルマがいると、怖いものですよね。
警視庁のデータを見ると、車道幅員5.5m未満の道路と、5.5m以上の道路で比較すると、歩行者や自転車が死傷する事故の割合が5.5m未満は61.8%、5.5m以上は34.9%と圧倒的に狭い道の方が高いという事実がわかります。
そこで今回は、狭い道でスピードを出すとどんなリスクがあるのか、どうしてスピードを落とさなければいけないのか、その状況と理由を挙げてみたいと思います。
まずもっとも注意すべきなのは、平成23年頃から交通安全対策の一環として導入が進められている「ゾーン30」に指定されている道です。これは道1つ1つではなく、ゾーン(区域)でまとまった交通安全対策を行うことで、クルマにおびやかされることのない安心な生活を送れる地域をつくることを目的として導入されているもので、その区域の制限速度を30km/h以下に統一。加えて時間帯や区間などに一方通行や侵入禁止など、必要な対策をとっています。
なぜ30km/h以下なのかというと、警視庁の資料ではクルマの速度が30km/hを超えると、交通事故の際に歩行者の致死率が約3倍に跳ね上がってしまうことが理由です。学校や公園など子供が多い区域、住宅が密集している生活道路など、歩行者にやさしい環境をつくるためのゾーン30。この区域の入り口には、速度制限30km/hの標識と「ゾーン30」の路面表示が設置され、道路の両脇がグリーンに塗装されていますので、それを見たら「ここは歩行者が多い区域なんだな」と気を引き締めて、スピードを落として走ることを徹底してほしいと思います。
またゾーン30以外にも、スピードを落とすべき状況はたくさんあります。