自動車市場の変化により「Z」の存在は希少に
これはけっして、「Z」に限った話ではなく、2ドアスポーツカーの市場の減少は70年代、80年代、90年代、00年代と時代を追うごとに減少している。
「Z」については、初代と2代目がグローバルで年間40万台レベルで売れたが、2010年代には10万台レベルとなっているのが現実だ。
とくに、「Z」の主戦場であるアメリカでは00年からセダンからSUVやピックアップトラックなどのライトトラックへのシフトが始まり、2010年代になるとコンパクトSUV市場が急拡大した。
こうした市場変化のなかで、「Z」の存在は希少になっていった。そのため、アメリカを含めて、日本でも2010年代中盤以降になると「Zは存続するのか?」という「Z」の未来を不安視することが出てきたのだ。
アメリカのほか、欧州、中国、東南アジア、南米など「Z」を愛する人々はいるのだが、販売台数でみるとやはり、アメリカ優先となっている。
今回、新モデルとなった「Z」だが、型式は先代のZ34となっていることから、一部のメディアではビッグマイナーチェンジと呼ぶ場合がある。
日産としては、「Z」の販売台数が限定的であっても、また2030年代の早い段階で日産モデル全車を電動化すると表明しても、「Z」は日産ブランドの中核であり、レースやスポーティによるアグレッシブな企業イメージを象徴する存在であることの変わりはない。
今後、グローバルで一気に「Z」の販売台数が伸びることはないのかもしれないが、時代の変化に応じた「Z」の進化を期待したい。