欧州のレギュラーガスのオクタン価は95以上という規定
逆にいえば、そこまでパワーを必要としない実用車や軽自動車などは、圧縮比もほどほどなので、レギュラーガスでOKとしている。とくに軽自動車は64馬力の自主規制があるので、圧縮比を上げてまでパワーを追求する意味がなく、より経済性が重視されるので、レギュラーガスが標準になっている。
一方、輸入車の場合はちょっと事情が異なってくる。輸入車、とくに欧州車の場合、コンパクトカーや実用車でもハイオク仕様が基本。
というのも、欧州のレギュラーガスのオクタン価(RON)が95以上という規格になっているからだ(RON91というガソリンもあるが、いまではほとんど使われていない)。
それに対し、日本国内のガソリンは、JIS(日本産業規格)で、オクタン価89以上が「レギュラー」、オクタン価96以上が「ハイオク」と決まっている。そのため欧州車に日本の「レギュラー」を入れるとオクタン価が不足することになり、必然的にハイオクが指定されることになってしまった……。
ちなみにアメリカの場合、州によってオクタン価の違いがあり、日本のレギュラーガスと同程度のレギュラーガソリンが販売されている地域もあるので、日本に輸入されたアメリカ車も「レギュラー指定」になっている車種が珍しくない。