この記事をまとめると
■クルマのシートにはさまざまな素材が使われている
■大きく分けるとレザーとファブリックの2つ
■レザー・ファブリックはそれぞれさらに細分化できる
本革は万人にとって最上級とは限らない
クルマのシートにはさまざまな素材が使われていて、それぞれ見た目の風合いや触り心地が異なる。そのクルマの質に大きく関わる部分だけでなく、長時間座り続けることから、機能面でもシートの生地は重要となってくる。シート生地というと、布と革ぐらいのイメージかもしれないが、改めてカタログなどを見てみると、意外に種類が多いことに気がつく。今回はそれぞれの違いを整理してみよう。
まずはレザーだが、本革シートと呼ばれるように、本物の革を使用している。一般的な革製品と同じで、なめしたうえに塗装がされている。プレミアムモデルとなると、コノリーなどのブランド革を使用しているが、これは牛の種類や取る部位などにもこだわり、なめし方も独自のノウハウで行われていて非常に高価だ。
ブランドレザーでなくても、座り心地もしっとりした感じが持ち味。ただレザーは価格が高く、手入れに手間がかかるうえに、表面処理によっては体が滑りやすく、コーナーなどで落ち着かないこともある。最近はかなりよくなったが、ひと昔前の国産車のレザーシートではけっこうあった。
レザーで最近増えているのが、人工皮革だ。つるつるした表皮タイプもあるが、いわゆるバックスキン調が人気で、ザラザラとした独特の風合いは高級感にあふれ、見た目もいいし、耐久性もかなり高い。この素材で世界的に使われているのが、アルカンターラとウルトラスエードというブランドで、どちらも東レ系の製品となっている。デメリットとしては汚れが付くと落としにくいことだろう。