前が2軸か後ろが2軸かで運転特性とランニングコストが異なる
まずフロントが4輪(2軸)の場合は、直進性がよくなるため、長距離&高速道路向きというだけでなく、フロントのタイヤはシングルタイヤなので総タイヤ数は8本(後輪が4輪だとそこはダブルタイヤなので計10本)と少なくてランニングコストを抑えることができる。またタイヤが小さくできるので低床化にも有利だ。さらに細かいところでは、タイヤサイズがすべて一緒なのでローテーションも可能だ。運転特性として大回りになってしまうことが大きい。
一方、リヤが4輪(2軸)の場合は、小回りが利くものの、急ハンドル切った場合、空で回っている最後尾の車輪がよじれてしまうことがあって、寿命が短くなってしまうことがある。「ひきずり」とか「ひこずり」「ずり」などと呼ばれる現象だ。また荷台に対してバランスを取るため、リヤオーバーハングが大きくなることから、曲がるときに後端が降り出やすくなることもあり、交差点で危険なだけでなく、積み下ろし場に付ける際に苦労する(とくにバック)こともある。またフロントが2輪だけなので、荷重が動きやすい液体の運搬にも向いていないとされる。
以上が基本なのだが、上屋の種類やシャシーの設計などで、例外もあったりするから難しい。たとえば最近よく見かける、空荷の際は転がり抵抗を減らすため、2輪(1軸)が上に上がる仕組みのトラックがあるが、これは後ろ4輪(2軸)でないとできないこと。こういったタイヤの数と位置、ボディ形状、装備などの視点でトラックを眺めてみると、新鮮な見方ができるかもしれない。ぜひ試してみてほしい。