水平のリヤスポイラーにも意味がある!
3)ホイールハウスまわり
これは個々の車種というより、全般的な話だが、空力を突き詰めつつある昨今、最後の残された部分が車輪まわりとされる。高速で回転するため、空気の流れは乱れるし、対策もあまりされてこなかった。最近の新型車ではパンパーの角の部分の形状が複雑なことが多く、空気をうまく流して、タイヤの影響をできるだけ受けないようにしている。
トヨタのエアロコーナーがおなじみだ。また、ホイールハウス内にダクトが付いていて風抜けをよくしたりと、よく見るとさまざまな対策が施されていることがわかる。
4)ルーフの抑揚
ルーフを前から見ると、真ん中部分が凹んでいて、左右が上に上がっている形状になっていることが多い。パゴダルーフやカモメルーフと呼ばれるもので、デザイン的な意味合いだけでなく、空気抵抗低減に威力を発揮。さらにプレスが入るのでルーフ剛性の向上にも威力があるとされ、トヨタ2000GTにも採用されているなど、古くからある技術だ。
5)リヤスポイラー
最新技術ではなく、定番的なものだが、たとえばコンパクトカーのルーフ後端のスポイラーはスポーティに見せるためによく装着されているが、ルーフからの流れのまま、つまり水平に近いのが気になったことはないだろうか。
スポイラーと言えば、ある程度傾斜があるイメージだけに気になるが、立てると空気抵抗が増すし、市販車であればダウンフォースも抵抗になりかねない。ではなぜ付いているかというと、きれいに後方へと空気を抜くためだったりする。ないとリヤウインドウのほうに空気が流れて渦になり、車体を後方に引っ張る力が発生してしまう。水平にするとそれが防げて、ゼロリフトに近くなるとされている。