欲張り思想が仇となってしまった悲しきモデルたち
2)オーパ
1999年に開催された東京モーターショーに展示された、セダンでもありワゴンでもあるという新たなコンセプトを持ったオーパ。
実際の販売は翌2000年の5月で、当初は1.8リッターのみでスタートし、8月にはトヨタ初のCVTを搭載した2リッターモデルが登場した。
2700mmのロングホイールベースと、コラムシフトを備えてウォークスルーを可能としたり、リヤシートにスライド機構を持たせたりしたフレキシブルな室内空間を持っており、フロントはグレージュ、リヤはブラックという前後でカラーを変えたシートなど斬新な試みが多くなされていた。
しかし、ワゴンとしてもミニバンとしてもセダンとしても中途半端なキャラクターが災いし、およそ5年で生産を終了。後継車種も存在しなかった。
3)ブレイド/ブレイドマスター
「大人しくない大人に、ショート・プレミアム」というキャッチコピーで2006年に登場したブレイドは、比較的コンパクトなボディに余裕のある2.4リッターエンジンを搭載したプレミアムコンパクトカーというキャラクターを持っていた。
当時プレミアムハッチバックとして人気となっていたフォルクスワーゲン ゴルフに対抗したともいわれており、コンパクトカーでありながら、リヤサスペンションにダブルウイッシュボーンを採用するなど、プレミアムという冠に相応しい性能を持ち合わせていたのだ。
また、2007年には3.5リッターV6エンジンを搭載したブレイドマスターもリリース。これは5代目ゴルフなどに設定された3.2リッターV6エンジンを搭載したR32を意識したモデルと言われているが、当のゴルフは6代目でダウンサイジングを図っており、肩透かしされた格好となってしまった。
また、いくらプレミアムといってもベースが大衆車のオーリスだったことも災いし、ブレイドはヒットすることなくプログレの二の舞となってしまったのだった。