この記事をまとめると
■新型フェアレディZは歴代モデルをオマージュしたスタイルでモデルチェンジ
■アメリカではカマロ、マスタング、チャレンジャーがオマージュ路線で人気
■やや小さめのロングノーズスタイルは珍しく、ヒットが期待されている
歴代Zをオマージュした新型フェアレディZがついにデビュー
8月18日に新型フェアレディZ(以下Z)がオンラインにてワールドプレミアを果たした(同時期開催予定だったニューヨークオートショーでの華々しいデビューを予定していたようだが、新型コロナウイルス感染拡大によりショー自体が開催中止となった)。
リリースには、「伝統と最新技術の融合」として、「洗練されたエクステリアと、歴代の[Z]へのオマージュを感じさせるデザインを特徴としています」としている。確かにフロントから見れば、初代(S30)を強く感じるし、リヤビューは個人的には4代目(Z32系)のイメージを感じる。
いまアメリカンブランドでラインアップされているシボレー・カマロ(GM/ゼネラルモーターズ)、フォード・マスタング、ダッジ・チャレンジャーはいずれも、今回の新型Zでいうところの”オマージュ”路線で初代をイメージしたモデルとなっている。
Zは初代がそもそも対米戦略車として強く意識されて開発されたのであるが、その初代が見事にアメリカで大ヒット。アメリカでは「ズィーカー」との愛称で親しまれている。
以降、先代6代目までアメリカへ輸出が続けられ、7代目となる新型Zもアメリカで販売される。いまでもアメリカではGT-Rと並んで日産の看板車種となっている。そのような歴史的背景を見れば、今回の新型Zが初代をオマージュすることに違和感は何もないものと考える。
マスタングが初代オマージュ路線を取り始めたのは先代5代目(1964〜1973年モデルを初代としてカウント)からである。5代目は2005年モデルとしてデビューしているのだが、当時、リヤサスペンションが独立懸架ではなく、伝統のリジッドアクスルを採用していたことが話題となった。
関係者に話を聞くと、フォードはこのモデルを開発する時に、歴代のマスタング愛好家を集め、一緒に開発を進めたとのこと。リヤサスペンションはともかく、プラットフォームは当時の最新のものであったし、搭載エンジンもこの代からOHVではなくOHCに切り替えられている。そのなかでマスタングらしさを失わないためにも、愛好家のアドバイスを聞いたようなのである。
エンジン音はどうあるべきかなど、細かいところまで愛好家のアドバイスはあったそうだ。ちなみに現行モデルではリジッドアクスルは採用されず、独立懸架となっている。