アメリカではオマージュ路線の最新モデルが人気になっている
新型Zも見た目だけでなく、メカニズムも相当凝ったものとなっているようである。いくら歴代をオマージュといっても、見かけだけではただのパイクカーになってしまう。最新技術と歴代モデルのイメージの融合がなければ、いまは消費者から受け入れられないのは万国共通のようである。果たして操ってみてどう感じるか、正式発売が待ち遠しいところである。
6代目マスタングは大ヒットとなり、それに続いたかどうかは定かではないが、カマロやチャレンジャーも初代オマージュ路線を採用した。ちなみにダッジ・チャレンジャーは現行モデルが3代目となるが、2代目は三菱ギャランΛのOEMであったので、1974年モデルで販売終了となった初代をオマージュしながら、2008年に復活したといっていいだろう。
マスタングのV8はOHCとなるのだが、カマロとチャレンジャーのV8はOHVとなっている。また、V8のほかマスタングは直4を、カマロは直4とV6、チャレンジャーはV6もラインアップしている。
アメリカンブランドクーペとZを比較するのはいかがなものかと言う声もあるだろう。事実、2020年9月16日にプロトタイプが発表された時のリリースには、新型Zは全長4382×全幅1850mmというボディサイズになっていた。現行マスタングの全長が約4800mmで全幅が約1910mmなので、全長4380×全幅1865mmとなるスープラにボディサイズは近いことになる。
事情通によると、「アメリカではマスタングクラスか、86ぐらいのコンパクトサイズかに2ドアクーペは二分されるので、一般的に見ればボディサイズは中途半端ともいえます」としている。それでも2021年1月から6月までのアメリカでのスープラの累計販売台数は4548台となっており、日本よりもSUVが良く売れていることを考えると、かなり健闘しているといっていいだろう。
そもそも、初代や2代目スープラだった初代と2代目セリカXX(ダブルエックス)やZも2代目までは5ナンバーサイズだったので(3代目スープラも基本5ナンバーサイズなのだが、途中でワイドボディが追加されている)、現行スープラや新型Zもマスタングなどと比べると、やや小さいほうがウケはいいようである。仮にマスタングサイズとなればかなり印象が変わってしまうだろう。
それに販売台数もマスタングやカマロ、チャレンジャーは段違いに多く、そもそもマーケット自体も完全にはバッティングしていないのである。ちなみに2021年1月から6月までの累計生産台数はマスタングが3万1950台となっている。