ファンなら住みたい! スバル町にダイハツ町など「自動車メーカー名」が付けられた4つの地名 (2/2ページ)

存在が偉大すぎて名前が追加された町がある

3)スバル町

 トヨタ町、ダイハツ町はいずれも昭和に生まれた町名だが、21世紀になって誕生したのが群馬県太田市スバル町だ。その誕生は2001年10月、当時は富士重工業という社名だったSUBARUの群馬製作所本社工場の敷地を、ブランド名からスバル町と命名した。

 これは地域として、基幹産業であるスバルの自動車作りを応援しようというものだったが、それにしてものちに富士重工業がSUBARUと社名を変えるとは、スバル町が生まれた段階では誰も想像していなかったことだろう。なお、太田市の発表によればスバル町に居住者はいないという。

 このように本社や有力事業所の所在地にブランド名を想起させる町名を付けるというのは地方自治体にとって法人税の大口納税者であることを考えると、ある種のリスペクトともいえるし、またその地域における誇りやシンボル、また地元愛の醸成という点でも意味があるのだろう。

4)川崎町

 その意味では、ここで紹介した3社以上に地元から愛されている企業がある。それがカワサキ・ブランドのバイクで知られている川崎重工業だ。同社の事業所で川崎町に存在しているのは3拠点もある。

 明石工場(二輪車など):兵庫県明石市川崎町1番1号
坂出工場(船舶など):香川県坂出市川崎町1番地
岐阜工場(航空機など):岐阜県各務原市川崎町1番地

 さらに神戸本社の所在地も兵庫県神戸市中央区東川崎町となっている。地元に愛されているという面もあるだろうが、それ以上に川崎ありきで開発された土地なので川崎町とつけることが自然であり合理的という面もあるだろう。

 なお、明石市川崎町の人口は1343名(男性:641名・女性:702名・614世帯)、坂出市川崎町は居住者ゼロ、各務原市川崎町の人口は未公開だが、工場敷地内に寮が存在しているのでゼロということはなさそうだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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