この記事をまとめると
■いまだにアイドリングストップ機能を不採用のクルマやあえて使わない人もいる
■アイドリングストップ機能は消耗品が高価などのデメリットもある
■環境へのプラスの影響は確実なので筆者は採用すべきだと考えている
じつは1970年代には実用化されていたアイドリングストップ
最近発売されるガソリンエンジンの新車は、再びアイドリングストップ機能を持たない車種が多くなっている。そうした新車に試乗すると、自分はまだ20世紀に生きているのかという気分になる。
1974年のトヨタ・クラウンのマニュアルシフト(MT)車に世界で初めてアイドリングストップが採用され、2010年前後からアイドリングストップ車が普及しだした。人間は、社会環境の変化に対し適応力を備え、間もなくそれが日常だと感じるようになる。
ガソリンエンジン車にアイドリングストップ機能を装備しない理由はいくつかある。たとえば悪路走破を主力としたクロスカントリー4輪駆動車は、滑りやすい路面でエンジン再始動に時間を要し、駆動力をすぐ発揮できないと事態を悪化させる懸念がある。命にかかわる問題であり、駆動力がすぐ得られることは不可欠だ。
一般的な乗用車でも、最新のエンジン技術によってアイドリングストップをしなくても燃費改善が行われていると自動車メーカーは説明する。アイドリングストップを機能させるには、スターターモーターやバッテリーを大型化するため、ライフサイクルで考える必要もあるという。
大型化や大容量化した部品の採用で原価が高くなったり、交換費用が余計に掛かったりすることもある。アイドリングストップを嫌い、スイッチを切って使用する顧客も地域によっては多く、そうした理由から不採用となっているようだ。