独創的すぎて自動車史的には大成功?
3)トヨタ・セラ
ご存じ、スターレットをベースとしたガラス張りのコンパクトカー。しかもドアはガルウイングというか、前に跳ね上がるバタフライドアを採用していた。
今でこそ、トヨタは攻めている感じがするが、当時は保守的で手堅い戦略だった。1990年、突然出てきたのがセラだけに驚いた。断熱ガラスを使っているわけではなく、真夏ともなれば温室状態で本当に日干しになった。
ちなみに売れたのは1万5000台ほどとされる。
4)スバルSVX
1991年に登場した、水平対向6気筒を搭載した、グランツーリスモクーペ。
専用品が多く、かなり凝ったもので、勢いで出たと言うよりバブルならではのクルマと言ったほうがいいかもしれない。ただ、デザインを担当したジウジアーロが、実車を見て「スケッチのまんま出しちゃったのか!」と言ったとされる。
5)いすゞ・ビークロス
ショーモデルのまま登場したクルマとして話題に登ることが多いが、実際に勢いで出しちゃったクルマだった。
コンセプトカーが出たのが、1993年の第30回の東京モーターショー。ちなみに車名はヴィークロスだった。それが1997年になって突然市販化となって、ビークロスとして発売された。関係者によれば、本当に突然だったとのこと。
そのため、市販車として成り立たせるために、意外に手が加えられていて、よく見るとコンセプトカーとはかなり違っている。つまりコンセプトカーそのままとは言えなかったりするのだ。
以上、5台を紹介したが、バブル期を中心にしてまだまだある。最近は勢いで出しちゃったようなクルマが少なく、いかにも計算され尽くした優等生が多い。クルマ好きとして、ちょっとさびしい気はする。