なんと「クラウン」に「KTM X-BOW」! S耐で走る「珍車」レースマシンたち (2/2ページ)

超珍しいKTM X-BOW GTXも走行!

 またST-1クラスに参戦する2号車「シンティアム・アップルKTM」も日本では珍しい一台といえる。ST-1クラスはST-2クラスからST-5クラス以外の車両で争われているクラスで、K’sフロンティアKTMカーズがKTM X-BOW GTXを投入。同マシンはオーストリアのKTMが手掛けたロードゴーイングのスポーツカーで、カーボンボディにアウディ製の2500cc直列5気筒ターボエンジンを搭載。

 同チームのエンジニア、渡邊信太郎氏によれば「燃料タンクを変更したぐらいで、ほぼノーマルの状態です」とのことだが、ドライバーのひとり、加藤寛規選手によれば「剛性が高いし、ボデイも軽い」と好感触で、第1戦のもてぎを制したほか、第3戦の富士24時間、第4戦のオートポリスを制するなど素晴らしいパフォーマンスを発揮している。

 同マシンはニュルブルクリンクを舞台にしたシリーズ戦、VLNのなかにワンメイクレースが設けられるほか、アメリカなどでもワンメイクレースが争われているものの、日本ではロードゴーイングカーが未だ発売されていないことから同マシンを拝めるのはスーパー耐久だけとなっていることから、まさにKTM X-BOW GTXも同シリーズを代表する珍車と言えるだろう。

 もちろん、メーカー開発車両を対象にしたST-Qクラスでは既報のとおり、トヨタおよびROOKIE Racingが水素エンジンを搭載したカローラH2コンセプト「ORC ROOKIE Corolla H2 concept」を投入するほか、次期GT4車両として開発するGRスープラ「ORC ROOKIE Racing GR SUPRA」が参戦。いずれも世界で唯一の開発モデルとなっているだけに、この2台もスーパー耐久の名物モデルだ。

 このようにスーパー耐久では、マニアックなマシンが活躍しており、それらの“珍車”も同シリーズの魅力となっている。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

愛車
スバル・フォレスター
趣味
登山
好きな有名人
石田ゆり子

新着情報