「うーんなるほど……、さっぱりわからん!」なモデルたち
ところが、新型車なのに、先代酷似のクルマもある。たとえばホンダN-BOX。初代は2011年に登場し、ご存じのようにスーパーハイト系軽自動車として大ヒット。
上級車を喰う勢いのパッケージ、走行性能が魅力だった。そして2017年に2代目の新型がデビューするのだが、まさにキープコンセプトのエクステリアデザインで、クルマに詳しいモータージャーナリストの筆者でさえ、先代と現行型を瞬時に見極めるのが難しいほどだ。
同じような先代酷似のフルモデルチェンジでは、スズキ・ハスラー(1-2代目)、スズキ・スイフトスポーツ(2-3代目)、スバル・インプレッサ(4-5代目)、スバル・レヴォーグ(1-2代目)などがあり、とくにホンダの乗用車の原点、日本のモータリゼーション、日本のマイカーブームの先駆けとなったN360をモチーフにした、Nシリーズ第三弾として1992年に初代がデビューしたN-ONEの2代目は、なるほど、N360という確固たるモチーフがあるためか、まったくと言っていいほどエクステリアデザインは酷似しているのである。
むしろ開発陣はそれを誇りにしているほどで、だから新旧型を一目で見極めるのがかなり難しい1台でもあるのだ。
輸入車でも、BMWミニ(1-2代目)、VWゴルフ(4-5代目)、VWニュービートル(1-2代目)も、確固としたデザインの完成度、普遍性、歴史があるため、初代からのデザインイメージは変えようもなく、誰が見てもそのクルマに見える、キープコンセプトなデザインにならざるを得ないのである。
そこがまた、それらのクルマの普遍的な魅力でもあるのだ。だって、VWビートルが箱型になったら、それはもうカブト虫ではなくなるではないか。