見た目は「汚したくない」都会の高級車! でもじつは新型ランクルが「超本気」の「オフローダー」である6つの理由 (3/3ページ)

ランクルの名前がトヨタの誇りで”そこそこ”は許されない

理由その4 操舵アクチュエーター付きパワーステアリングの採用

 電動式の操舵アクチュエーターを組み合わせた機構だ。操舵に関する支援機能を備えつけるためには電動式の操舵アシストが必要だが、電動式のみでは耐久性が少々心許ない。そこで電動式の操舵アクチュエーターと、過酷な環境にもマッチングのいい油圧式パワーステアリングを組み合わせることで耐久性をも担保しようという、ある種のリスクマネージメントだ。

 街中をはじめとする一般的な環境だけを見るのであれば、そこまでする必要はないわけだ。

理由その5、マルチテレインモニター

 これはクルマの周囲の状況を4つのカメラでサポートし、ドライバーの死角になりやすい部分をモニターでチェックするためのもの。フロア下側を透過映像として映し出すこともでき、タイヤ位置などを示す線を映像に合成させることでより正確な走行状況を得ることも可能だ。

 これが悪路を走るときにどれほどありがたいことか。一度使ってしまったら二度と手放せない、悪路走行専用機構である。

理由その6 ランドクルーザーの名前を継承していることそのもの

 “どこへでも行き、生きて帰ってこられる”ことが、ランドクルーザーのアイデンティティ。トヨタはそれを何十年にもわたって継承し続けてきた。「ランドクルーザー」という名前は、それそのものがトヨタのプライドなのだ。

 歴史と伝統、でもある。ランドクルーザーを名乗る以上は、それを”そこそこ”で済ませてしまうわけにはいかないのである。だから間違いなく300シリーズも、ランクルとして素晴らしいモデルに仕上がってるに違いない、と予想できるのだ。

 この300シリーズには他にもまだまだ見どころはあるのだが、長くなりすぎるので、それはまた別の機会に──。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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