マツダはミニバンもプレミアムコンパクトも得意だった
3)ビアンテ
背の低いプレマシーと大柄なMPVという2つの3列シート車の間を埋めるために、2008年に登場した2リッタークラスのミニバンがビアンテだった。
ノア/ヴォクシーやセレナといった競合がひしめくジャンルに投入されたビアンテは、あえて5ナンバーサイズにこだわることを捨て(ベースとなったのがアクセラ系のプラットフォームだったということもあるが)、同クラスのミニバンとしてはもっとも広い室内空間とスライドドアの開口部面積を誇っていた。
エクステリアもマツダらしいダイナミックなもので、ヘッドライトがフェンダーを貫きサイドウインドウと一体化しているようなデザインとなっており、走りもマツダ味の強いファンなものであったが、知名度に勝るライバルには歯が立たず、フルモデルチェンジされることもなく2018年に10年に渡るモデルライフに終止符を打った。
4)ベリーサ
2代目デミオをベースとした上質なプレミアムコンパクトとして2004年6月に登場したベリーサ。プラットフォームやパワートレインこそデミオと共通であるが、内外装はデミオとは全く異なる意匠となっている。
とくに上質感には力が入れられており、ピアノブラックを用いた内装や、このクラスの車両としては珍しい本革シートの採用、2重としたウェザーストリップや厚みを増した静音ガラスなど、プレミアムコンパクトに恥じない力の入れようとなっていた。
登場から12年という長いモデルライフとなったベリーサではあったが、定期的に特別仕様車が設定されるなど、商品力の向上には余念がなく、大ヒット車種とまではならなかったものの、一定の評価を集めたモデルと言えるだろう。
現行MAZDA2のプレミアム路線の影には、ベリーサのときの経験が生きているのかもしれない。