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懐かしき「キャブ時代」のトラブルだと思いきや「いまのクルマ」でも起こりうる! エンジンが「かぶる」とは? (2/2ページ)

懐かしき「キャブ時代」のトラブルだと思いきや「いまのクルマ」でも起こりうる! エンジンが「かぶる」とは?

キャブレター時代には当たり前の出来事だった

 始動時にエンジンがかぶるというのは、いまのクルマではほとんど無縁だが、キャブレター時代にはポピュラーな出来事だった。

 この『かぶる』というのは、燃料が必要以上に供給されてプラグが濡れてしまう状態を言う。

 燃焼室に吸い込んだ混合気を着火させるには、プラグの点火=火花が必要だが、真冬の朝など寒いときに、燃料が濃いめに供給されると、その燃料がプラグを湿らせ、きちんと着火ができなくなる。これがかぶった状態……。

 キャブレター時代、寒いときにはチョークレバーを引いて、空気の通り道を絞って、エンジンを始動しやすくするのがセオリーだったが、このチョークの調整をしくじったり、エンジン始動後にチョークレバーを戻すのを忘れていると燃調が濃くなって、プラグがかぶり気味になることがよくあった。

 ちなみに英語でチョークとは、「窒息させる」「塞ぐ」という意味。プロレスの「チョークスリーパー」のチョークと同じ。

 極寒のときは空気の密度も濃くなるが、キャブレターはエンジンの負圧で混合気を燃焼室に送り込む仕組みなので、負圧が同じなら、空気密度の濃い/薄いに関係なく、同量のガソリンを吸い上げてしまう。結果として寒いときは、空燃比が薄くなって、火がつきにくくなるので、始動時にチョークを引いて一時的に空気を絞り、着火しやすい条件を作り出していたというわけ。

 本格的にかぶらせてしまうと、プラグを外して交換するか、完全に乾かさないと再始動が難しくなる。昔はかぶったプラグをワイヤーブラシで磨いて再利用する人も見かけたが、ワイヤーブラシで磨くと電極が傷つき、トラブルの原因になるので、あくまで応急処置的な対応でしかない!?

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