86/BRZレースで競技デビュー!
女性ドライバー限定のプロシリーズとして2017年にスタートした「KYOJO CUP」には、現在15名の女性ドライバーがエントリー。そのキャリアは千差万別で、カート出身者のほか、モトクロス出身の永井歩夢選手、レースクイーン出身のいとうりな選手などさまざまな顔ぶれが集結している。
今回紹介する萩原友美選手もいきなりモータースポーツシーンに飛び込んできた異色のドライバーのひとりで、「スーパーGTを見に行ったんですけど、“レースはおもしろい”、“私も走ってみたい”と思ったことがきっかけでした。もともとトヨタ86に乗ってたこともあり、そのワンメイクレースがあると知ったのでディーラーに行って、下積みしてからレースにデビューしました」と語るように、荻原選手は86/BRZレースで競技にデビューしている。
とはいえ「86/BRZレースは何もできずに終わりました。悔しいし、速くなりたいと思っていたなか、KYOJO CUPはプロドライバーに教えてもらえる環境があったのでチャレンジすることにしました」とのことで、荻原選手は2018年よりKYOJO CUPへの参戦を開始したのである。
「86と同じリヤ駆動ですけど、それ以外はまったく違う。車両重量が軽いけど、エンジンはパワーがないし、タイヤは華奢なので難しい。だからこそ、勉強になるクルマだと思います」と主力モデル、VITAをインプレションする荻原選手は6月6日に富士スピードウェイで開催された開幕戦で予選4位につけたほか、決勝では2位入賞を果たし、表彰台を獲得した。
さらに7月25日に鈴鹿サーキットで開催された第2戦でも予選は9位に出遅れながらも決勝では素晴らしい追走を披露し、4位にジャンプアップを果たすなど、2021年はまずまずの成績を残している。
「男女混合のレースと違って、身体的な能力があまり変わらないので、言い訳ができないし、切磋琢磨できるからこそ速くなれる。バチバチしていますが、成長という部分を考えるといい環境だと思います」とKYOJO CUPについて語る荻原選手。
今後の目標について「やっぱりカートをやっていたドライバーは速いですね。私はどうすれば速く走れるのか、マシンのセットアップを含めてわからないんですけど、それをネガティブとは考えていません。私の本業は看護師で、アマチュアドライバーですが、経験豊富な速いドライバーに勝ちたいと思っているので、その追いつこうとする過程が楽しいです」と語っているだけに荻原選手の動向に注目したい。