参戦するクラスによっては1億円以上が必要な場合も
車両規定や排気量および駆動方式などによって計9クラスを設定することでさまざまなマシンが集結。まさにスーパー耐久は世界屈指の車種ラインアップを誇るレースとなっているが、当然ながら、その参戦コストはクラスやモデルに応じて異なってくる。
プロのレーシングチームおよびプロのレーシングドライバーが集うスーパーGTのGT300クラスに対して、スーパー耐久は”偉大なる草レース”と称され、アマチュアドライバーを対象としたシリーズとされているが、それでもその参戦コストはかなりのお値段になっているようだ。
なかでも最高峰クラスとなるST-Xクラスは、FIA-GT3およびGT3規格に準じた車両で争われているだけにGT300クラスとほぼ同等のコストがかかると言われている。車種にもよって異なるが、FIA-GT3の車両代金は5000万円〜1億円以上で、それにプラスしてエントリーフィーやタイヤの購入代金、メカニックの人件費、全スタッフの交通費や宿泊費などのランニングコストとして車両と同額の費用が必要となる。
つまり、マシンを含めた年間の参戦費用は1億円以上で、スーパーGTのGT300クラスにGT300規定(注:旧JAF-GT)モデルのトヨタGRスポーツ・プリウスPHVで参戦するほか、スーパー耐久のST-XクラスにFIA-GT3のレクサスRC F GT3を投入するaprの金曽裕人代表は「全8戦のスーパーGTに対して、スーパー耐久は全6戦とレースの開催数は少ないですが、スーパー耐久は3時間レースや5時間レースなど1ラウンドの走行距離が長いのでタイヤ代がかかりますし、練習走行も木曜日から始まるので日数も長いことから人件費などの経費もかかります」と語る。
さらに「富士24時間レースは3倍から5倍のコストがかかりますからね。スーパー耐久は若手の育成を目的に参戦していますが、費用的にはスーパーGTと同じとはいいませんが、それに近いぐらいの活動予算になっています」と金曽代表は付け加える。
一方、FIA-GT4およびGT4規格に準ずる車両で争われるST-Zクラスは、マシンの購入費用が3000万円前後となっているものの、やはり、マシンと同額以上のランニングコストが必要で、最低でも年間6000万円以上の予算が必要と言われている。
さらにTCR車両およびTCR規格に準じたマシンで争われるST-TCRクラスもマシンの購入費用は2000万円で、こちらもマシンと同額以上のランニングコストを要することから、年間で4000万円以上の予算が必要となってくるようだ。