e:HEV PLaYでは総額15万円相当の装備が省かれている
その一方で「e:HEV PLaY」では、「e:HEV Z」に標準装着されるLEDアクティブコーナリングライト、ヘッドライトのオートレベリング機能、フルオートエアコンの左右独立温度調節機能、トノカバーなど、総額15万円相当の装備が省かれてしまう。装備と価格のバランスを見ても、「e:HEV PLaY」では、装備が省かれた約15万円分は割高になっている。
このような装備の設定は珍しい。一般的にパノラマルーフや外装をドレスアップするパーツは、最上級グレードの装備になるからだ。ヴェゼルの場合なら、「e:HEV Z」にプラスすべき品目になる。従って本来なら、「e:HEV Z」に、「PLaYパッケージ」としてパノラマルーフや専用外装パーツのセットオプションを用意すべきだった。
この点を開発者に尋ねると「e:HEV PLaYは、最上級グレードではない。装備の違いに応じて、e:HEV Zと並列に選べる関係にある」というが、パノラマルーフが欲しいユーザーの多くは、LEDアクティブコーナリングライトやフルオートエアコンの左右独立温度調節機能も装着したいだろう。
しかも「e:HEV PLaY」の価格は、「e:HEV Z」に比べて40万400円も高いので、装備品の内容をチェックしないと省かれた装備があることに気付きにくい。ヴェゼルを選ぶ時には、装備について注意が必要だ。
なおこの事例は、今のホンダの問題点を突いている。狭山工場を閉鎖するために、オデッセイやレジェンドを廃止する判断と根底では繋がっている。商品を廃止するために生産工場を閉鎖するのは理解できるが、その逆は成り立たない。今のホンダには、車種の投入から細かな装備の設定まで、顧客の気持ちで商品を造ることが求められている。