日産ブルーバードが流れるウインカーの先駆け!?
点滅式のウインカーはそのまま現在に至るのだが、仕組みとしては大きく進化していて、金属の板が電気式に動いて点滅させるバイメタル式から、現在はLEDにも対応して、作動が安定しているデジタル式へと移行している。ウインカーといえば、カチカチという音だが、バイメタル式は実際に金属の板が動くので自然に発せられていたが、デジタル式では出ないため、わざわざ別で付けている。
ウインカーのスタイルという点では、1968年に登場した日産ブルーバードクーペSSSに日本車では初めて採用(オプション)された流れるウインカーは、それまでにない新しいものとして話題になった。日産ではハミングテールと呼んでいたが、その後すぐに廃止されてしまう。
これは法規が改正され、ウインカーについてはすべてのランプが同時に点滅しなければダメなどが引っかかってしまったためだ。仕組み的にも超アナログで、伝達式にスイッチを切り替えていくことから複雑になってしまい、日産としても積極的ではなかったように思う。
ご存じのように、現在、流れるウインカーは復活していて、正式には「連鎖式点灯方向指示器」と呼ばれている。復活のきっかけは2014年の法改正で、これは装備については世界で統一しようという流れを受けたもの。統一すれば認証の手間などが省けて、輸出入が簡単になるというのが背景にある。
これをきっかけにアウディは早々に採用したA8を販売し始めたし、国産でも高級車を中心にして装着しているモデルが増えた。これはもちろん現在はデジタル化しているので作動も問題ない。
仕組み的には進化していても点滅して、周囲のクルマに動きをアピールするというのは昔も今も変わらないこと。自動運転技術が進んでもウインカーを出すタイミングの判断はかなり難しいだけに、当分、現在のスタイルは続きそうだ。