世界随一の信頼性! 日本車でもっともご長寿な「歴代ランドクルーザー」の凄さとは (1/2ページ)

誕生から約70年! 日本を代表する本格クロカン

 いよいよ世界に誇るキング・オブ4WDのトヨタ・ランドクルーザーが、伝統と革新の華麗なる融合を携え、300系(FJA300W/VJA300W)としてデビュー。先代からおよそ14年ぶりのフルモデルチェンジである。

 ランクルという愛称でも親しまれているランドクルーザーと言えば、トヨタが、日本が世界に誇る本格4WD、今ではラグジュアリーな本格オフローダーであり、そのルーツは1951年に登場した和製ジープのトヨタ・ジープ。何しろ警察予備隊(陸上自衛隊の前身)の試作要請を受けて開発されたのが原点。その時点で、世界的に見ても高性能を誇っていた(警察予備隊への採用は見送られたとか)。

 その後、民生用として1953年に量産を開始。当初はトヨタ・ジープと呼ばれていたが、1954年月に、正式名称がトヨタ・ランドクルーザーに改められている。1955年には軍用車テイストが濃い従来型に代わり、一般民間用として使われることを前提とし、北米を始めとする海外に輸出することを見据えたBJ25型に発展。よりパワフルな3.9リッター直6エンジンを積むFJ25型を追加し、主力モデルとした。トラック、診療用、消防用などのバリエーションもあったという。

 我々がランクルとイメージできる最初のモデルが、1960年に誕生し、24年間もの長い間生産された40系である。この頃には、万能で頑丈という信頼性が世界中で認められ、本格オフローダーとしての地位を確立。1974年にはランクル初の4ナンバーで登録できるディーゼルエンジン搭載車も登場し、ファンを一気に拡大させたのである。

 1967年には、ヘビーデューティーな40系と棲み分けを図ったロング専用本格ワゴンの55系が、1980年には自家用需要を開拓したワゴンタイプの60系が登場。当時のRVブームもあって、「いつかはロクマル」という、クロスカントリーモデルのファン羨望の1台となったのだ。エンジンは3.8〜4.2リッターの直6ガソリンエンジンを搭載していた。

 ランクルの歴史を大きく変えたのが、1989年にデビューした、「荒野の高級サルーン」と呼ばれた80系である。北米や豪州市場での商品力を強化するため、ボディサイズを全長4970×全幅1900×全高1900mm、ホイールベース2850mmまで大幅に拡大(先代の60系は全長4750×全幅1800×全高1815mm、ホイールベース2730mmだった)。

 日本仕様はワゴンとバンの2タイプで、ワゴンは3列シートの8人乗りだった。4WDシステムは従来のパートタイム式に加え、新開発の電動デフロック付きのフルタイム式を追加。悪路でのイージードライブを可能にしたのである。ちなみにサスペンションはリーフ式からコイル式に改め、乗り心地が大幅に向上したのがこの80系からである。

 1980年になると、悪路走破性と高級サルーン並の快適性をより高次元で両立した、ハイテク化を推し進めた100系がデビュー。油圧車高調整機構AHCとスカイフックTEMSを合わせた新システムを設定するなど、進化の度合いを強めている。パワーユニットは新開発の4.7リッターV8をワゴンに搭載。

 バンの4.2リッター直6ディーゼルターボも電子制御化などでパワーを向上させている。1998年12月には、新たな最上級グレードとしてシグナスを追加。ランクルファンの話題をさらったのである。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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