ダンパーはサスペンションのストロークを抑制する
一方、ダンパーは前述の通り、オイルの抵抗でサスがストロークしようとするエネルギーを吸収する装置。構造的には、オイルが満たされた筒の中に小さな穴が空いたピストンが入っていて、それにロッドがついていて、ロッドが上下する際、オイルがピストンの穴を通過するときの抵抗が減衰力となる。
そのため、ダンパーはサスが動き出して、はじめて減衰力を発揮するので、高性能ダンパーほど、この動き出しの減衰力を重視している。動き出しの減衰力をよくするには高精度で、できるだけ大きなピストン径が有利。また、オイルが熱の影響を大きく受けるので、できるだけ大容量のダンパーが望ましい。
もちろん、どちらも乗り心地、操縦性、接地性、安定性に大きな影響を与える部品だが、わかりやすくいうと、サスのストローク量を決めるのはバネ。ストロークスピードを決めるのはダンパーだと思えばいい。
なお、バネは10年・20年使用してもバネレートが変わることはないが、ダンパーは内部のオイルが熱で劣化するので粘度が下がる……。性能を維持するためには、3~5年に一度ぐらいダンパーを新品に交換するのがベストだろう。