安全面や設置の簡易度などのメリットがある
中央分離帯というと、コンクリートで路肩が作ってあって、真ん中にいわゆるガードレールが設置されて、木が植えられていることが多い。高速道路でも同様なのだが、地方の高速道路やバイパスなどの片側一車線、つまり対面通行の場合だと、金属の柵になっていることがほとんどだ。
本来の中央分離帯というのは、ただの防護堤的な役割だけでなく、ホイールをこする高さにしてあって、あえてバーストさせることで停止させる意味もあったりする。もちろんガードレールはぶつかっても衝撃が和らげられるように作ってある。
その一方で対面通行の柵は、鉄の棒に金属ワイヤーが張ってあるだけと、かなりシンプルなことが多い。金属製だけに、ぶつかったときも危険そうだ。樹脂のポールが立っているところもあるが、こちらのほうが危険度は少ないように思える。
もちろんワイヤー式の中央分離帯にしているのは理由があるし、安全性も予想以上に高いレベルが確保されている。クルマが衝突した際は、支柱が折れつつ、ワイヤーが車体を包むように受け止めて衝撃を和らげる。樹脂だと倒れ込むだけで、こういった機能は無理だ。また、シンプルなので事故後の復旧も簡単だし、費用も抑えられる。さらに将来的な車線拡張にも簡単に対応できるのもメリットのひとつだ。
そもそも対面通行にするというのは、交通量が少ないだけでなく、スペースの問題あったりするわけで、場所を取らないワイヤー式はメリットがある。そのほか、工事や事故などで車線を変更する場合も、ポールを抜けば撤去できるので楽だったりもする。
一見すると、シンプルで頼りないように思える、ワイヤー式の防護柵も、独自のメリットがいろいろとあるわけだ。