STIはモータースポーツ担当
SUBARU(当時は富士重工業)のモータースポーツ統括企業として1988年に生まれたのがSTI(スバルテクニカインターナショナル)だ。当時から今に至るまでSUBARUの100%子会社という直系企業だ。
モータースポーツ(WRC)におけるワークス活動を支える組織という点ではニスモ的な要素が強かったが、STIとして最初の目立った活動は、初代レガシィにおける10万km連続走行世界速度新記録である223.345km/hを達成したことにある。その意味では、2000GTのスピードトライアル車に関わったTRDのルーツとも似た部分がある。このあたり、メーカー直系のワークスとしての共通点といえるのかもしれない。
そんなわけで、STI(かつてはSTiだったが、今回はすべて大文字で統一する)の90年代における活動の中心はWRCだった。その一方で、WRCで勝つために必要なベース車のブラッシュアップという点でもSTIの知見が取り入れられるようになっていく。それが、歴代のインプレッサに用意されたSTIバージョンで、そうしたSUBARUとSTIの関係はWRX STIの時代になっても変わらなかった。
同時に、STIの知見を活かしたアフターパーツも数多く生み出された。さらにSTIによるコンプリ―カーが誕生したのはワークスチューンのブランドらしいところ。ほかのワークスチューンもコンプリートカーを製作しているが、STIは群を抜いたラインアップを誇る。さらに北米向けに出したコンプリートカーS209においては、STIは同地においてメーカーとして認められるほどになっているのだった。