同じ「ワークス」でも似て非なる存在! 「TRD」「NISMO」「STI」「無限」の成り立ち (3/4ページ)

STIはモータースポーツ担当

 SUBARU(当時は富士重工業)のモータースポーツ統括企業として1988年に生まれたのがSTI(スバルテクニカインターナショナル)だ。当時から今に至るまでSUBARUの100%子会社という直系企業だ。

 モータースポーツ(WRC)におけるワークス活動を支える組織という点ではニスモ的な要素が強かったが、STIとして最初の目立った活動は、初代レガシィにおける10万km連続走行世界速度新記録である223.345km/hを達成したことにある。その意味では、2000GTのスピードトライアル車に関わったTRDのルーツとも似た部分がある。このあたり、メーカー直系のワークスとしての共通点といえるのかもしれない。

 そんなわけで、STI(かつてはSTiだったが、今回はすべて大文字で統一する)の90年代における活動の中心はWRCだった。その一方で、WRCで勝つために必要なベース車のブラッシュアップという点でもSTIの知見が取り入れられるようになっていく。それが、歴代のインプレッサに用意されたSTIバージョンで、そうしたSUBARUとSTIの関係はWRX STIの時代になっても変わらなかった。

 同時に、STIの知見を活かしたアフターパーツも数多く生み出された。さらにSTIによるコンプリ―カーが誕生したのはワークスチューンのブランドらしいところ。ほかのワークスチューンもコンプリートカーを製作しているが、STIは群を抜いたラインアップを誇る。さらに北米向けに出したコンプリートカーS209においては、STIは同地においてメーカーとして認められるほどになっているのだった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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