クルマのタイヤの空転やブレーキロックで上がる白煙! 当たり前のように思える煙の「正体」と「白い」理由

タイヤの白い煙はほぼ気体の状態!

 ドリフトやゼロヨンのスタート時、あるいはフルブレーキでタイヤをロックさせたときにブワッと上がるタイヤスモーク。

 あれってなんで白いのか? タイヤもアスファルトも黒系なのに、タイヤスモークが白いのは?

 まずざっくり説明すると、煙というのは黒色もしくは白色の二色が基本。黒い煙は、煙の中に固形物が混ざっている、もしくは不完全燃焼あるいは不燃成分があるときに現れる。それに対し、白い煙は固形物が混じっていない、ほぼ気体の状態。

 タイヤスモークが出るシチュエーションでは、タイヤ自体が燃えているわけではなく、タイヤがスリップしているだけで、このときタイヤの表面のゴム成分や油分が摩擦によって気化して、その気体が酸素と結びついて燃焼し、白い煙になるというわけ。気体が燃えて炭素化合物になるだけなので、固形物は含まれていないため、タイヤスモークは白くなる。

 というわけで、タイヤスモークは原則として白色なのだが、なかには例外もある。それは韓国のクムホタイヤが世界に先駆けて製品化した「カラースモークタイヤ」。クムホのカラースモークタイヤには、赤、青、黄の3色があり、ドリフト系イベントを盛り上げる効果も!

 トレッド表面に赤、青、黄がそれぞれ着色されていて、その粉末(固形物)によってスモークが着色される仕組みのようだ。

 余談だが、クムホでは他にも世界初の芳香タイヤ=「アロマタイヤ」(タイヤからラベンダーの香りがする!)といった変わったタイヤも製品化に成功している。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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