もっとも難しいのは複合コーナーとなる最終コーナー
次は中速のダンロップ・コーナーだ。アウトインアウトのラインを取り、車体が大きくロールしないように少ない操舵角で、出来る限り大きなR(旋回半径)となるように。ステアリングを切り込んでいる時間が長く、舵角抵抗で車速が落ち込みやすいのでアクセルはハーフスロットル以上となるようにコントロールする。
ダンロップ・コーナーを早く抜けると第二ヘアピンへ向かう左高速コーナーのライン取りが難しくなる。筑波サーキットで唯一の高速左コーナーであるこの80R複合コーナーはラップタイムに大きく影響する重要なポイントだ。左80Rで車体にロール姿勢を残したまま、続く第二ヘアピンにアプローチするとブレーキングで姿勢を乱しやすくなってしまう。そのために第二ヘアピンのアプローチはコーナー入り口のインを目指し真っすぐにブレーキングしていく。
第二ヘヤピンもすり鉢状となっており、イン側をキープするインべタ走法を心がけて距離でタイムを稼ぐ走法がベターだろう。
第二ヘアピンの立ち上がり車速が続くバックストレートでの車速の伸びに大きな影響を与えるので、アクセル操作、トラクションの掛け方を重視しなければならないのだ。
バックストレートは長さが437メートル。トップギヤに入る前に最終コーナーへ向けて減速をしなければならないクルマがほとんどだろう。
最終コーナーはTC2000でもっとも難しい100R〜90Rへと変化する複合の高速コーナーだ。フォーミュラカーのF3ならアクセル全開のままクリアできるが一般車では進入でブレーキが必要だ。ただ過剰に減速してしまうと舵角抵抗でも大きく減速するのでタイムロスに繋がる。その限界を探すのは極めて難しく、コースへの習熟が必要だ。これまでテストした量産車の中では4輪駆動でトラクションをかけながらステアリング操舵角ゼロで走る「ゼロカウンター走法」を生み出したランエボⅤ RSが最も早く駆け抜けることができた。
最終コーナー入り口右サイドにピットレーンへの入り口があり、ピットインする際はバックストレート右側を走行しホワイトラインをカットしないように注意する。
TC2000はランオフエリアが少なく、コースアウトするとガードレールをヒットするリクスが高い。また右コーナーが多く、左側タイヤの空気圧変化が大きくなることから3周毎にピットインして内圧変化の傾向を掴むとセッティングを合わせやすくなるはずだ。