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関東アマチュアの鍛錬場! 市販車テストの聖地! 筑波サーキットの攻略法をレーシングドライバーが指南する (1/2ページ)

関東アマチュアの鍛錬場! 市販車テストの聖地! 筑波サーキットの攻略法をレーシングドライバーが指南する

全長2kmのコースだが世界でも有名なサーキット

 筑波サーキットは東京都心からアクセスのいいサーキットとして親しまれている。筑波サーキットの歴史は古く、1970年に開業している。茨城県下妻市に位置し、2輪のオートレース事業を主軸とした一般財団法人「日本オートスポーツセンター」が運営していることでも知られる。

 コースは全長が2.045メートルの「コース(TC)2000」と、全長が約1000メートルの「コース(TC)1000」がある。オートレース用のオーバルコースも隣接して併設されているが、こちらはオートレーサーの養成専用施設で一般には解放されていない。今回はTC2000をメインに紹介していこう。

 TC2000はバックストレートに最大直線長437メートルの直線区間が設定されている。そのため1970年代後期に自動車専門誌が0〜400メートル加速性能を計測するのに用い始め、媒体露出が増えて知名度を上げていった。国産市販車の性能向上に合わせ、フルコースを使ってラップタイムを計測する機会も増え、月刊ビデオマガジン「ベストモータリング」のバトル企画主戦場としても世界的に知られている。

 国産車のテストステージとして相応しいとされているのは最大直線長が437メートルと短く、180km/hの速度リミッターをヒットせずにラップできる環境となっていたからだ。それにより速度リミッターが装着されない輸入車との比較も行いやすかった。近年は日産GT-Rなど500馬力オーバーのハイパフォーマンスカーも登場し、バックストレートでの最高到達速度は200km/hをオーバーするようになったが、そうしたクルマにはサーキット内で速度リミッターを解除できる機能が備わるなどして適合している。

 筑波サーキットを初めて走る際に気を付けるのはブレーキのオーバーヒートだ。高速からアプローチする第一コーナー、続く第一ヘアピン、第二ヘアピンと低速コーナーが多く、フルブレーキングを多用する一方、クーリングするための直線が短いので1980年代中頃までの国産車のブレーキでは2〜3周するのがやっとだった。

 ピットレーンは道幅が狭く、制限速度は40km/hと低く設定されている。ピットレーン出口には信号が備えられており、青ランプの点灯を確認してからコースインしなければならない。コースインしてからはコース右側を走行しホワイトラインをカットしないように注意する。すぐに右ターンの1コーナーとなり、アタック中の車両と速度差が大きくなるのでピットアウト直後は後方に十分注意し、走行車両を先行させてからターンインするなどの配慮が必要だ。

 1コーナーを立ち上がったら通常のラインを取り、S字コーナーから第一ヘアピンへとアプローチ。ここでは各コーナーの頂点を直線的に結ぶようなラインを選択し、第一ヘアピンへのブレーキングを真っすぐに行うのがポイントだろう。

 第一ヘアピンはすり鉢上になっており、インベタで最短コースを走るとタイム短縮に繋がる。

 第一ヘアピン立ち上がりは、すり鉢形状の影響もあり内輪の荷重が抜けやすく、急激にパワーをかけると内輪がスリップしトラクションを失う。LSD(リミテッドスリップデフ)非装着車やFF(全輪駆動)が駆動力を失いやすい場面で、丁寧なアクセルワークが必要。ステアリングをできるだけ早く直線状態に戻し、真っすぐ加速できるように心がけたい。

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