輸入車では昔からよくある手法
兄弟車のスポーツカーでは、トヨタ・スープラとBMW Z4も見逃せない2台。両車はこの時代にスポーツカーを開発、製造する上でのリスク、コストダウンを図る意味もあって2012年から協業を開始。基本部分を共用し、なおかつどちらもオーストリア マグナ・シュタイヤー社で製造される兄弟車である。
が、エクステリアはまるで異なる。どちらもほぼ同じボディサイズを持つ2シーターのスポーツカーだが、スープラはクラシックなクローズドボディ、Z4は電動ソフトトップを備えたオープンモデル。ただし、インパネなど、コクピットはパッと見、かなり似ている。ATセレクターも同様だ。細かい点では、ウインカーレバーの位置は両車ともに左側にある。日本側では、それが世界基準であり、コスト削減の意味もあると説明されている。全体的な質感は、やはりプレミアムブランドのZ4のほうがやや高いのは当然だろう。
パワーユニットは両車ともに2リッター直4ターボと3リッター直6ターボを用意。後者の340馬力、51.0kg-mのスペックも等しい。しかし、Z4は電動ソフトトップを採用するため、車重はスープラより50kgほど重く、エンジンの回転フィール、高回転への上昇フィールはスープラのほうがやや鋭く感じられる……という違いがある。
スポーツ度ならスープラ、BMWのオープンモデルらしいグランツーリスモ的な走りに期待するならZ4ということになるだろう(それでもZ4は十二分にスポーティだが)。もちろん、開発責任者(スープラは86と同じ多田さん)、テストドライバーも違うのだから、走りのテイストが違って当然と言えば当然だ。言い換えれば、いかに独自性を持たせるかの、トヨタとBMWの意地の見せどころでもあったはずだ。