欧州スポーツカーとは異なるマッスルカーというクルマ
一方で、アメ車の本格的スポーツとなると、マッスルカーを挙げないわけにはいかない。
そもそもは、フォード「マスタング」やシボレー「カマロ」など、庶民なの2ドアクーペのスポーティモデルとして大パワー&大トルクを楽しむクルマとして若者の注目を浴びた。「カマロ」の派生車である、ボンティアック「トランザム」もトップモデルではボンネットにファイアバードを描くという、いま思えばなんともアメリカンな演出だった。
その後、マスキー法をきっかけとした排ガス規制強化やオイルショックの影響で、エンジンのダウンサイジングがアメ車の主流となり、第一次マッスルカー時代は終焉した。
時が流れて2000年代に入り、マスタングの原点回帰によってシェルビーチューンも本格的に復活。ダッジも「チャレンジャー」と「チャージャー」がHEMI搭載で過激なパワーアップの道を辿ってきた。
また、純粋なアメ車ではないが、アメリカではいまでも愛好家が多い、イタリアン・アメリカンなスポーツカーが、デ・トマソ「パンテーラ」だ。アメリカンV8搭載で、見た目はスーパーカーだが、乗り味はマッスルカーっぽい。
そのほか、アメリカンスポーツというより、まさにドリームカーだったのは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でお馴染みの「デロリアン」だろう。
デロリアンは、GMの副社長だったジョン・デロリアンが理想のクルマを作るために独立して興した会社であり、その最初にして最後のモデルとなったのが、一般的に「デロリアン」と呼ばれているクルマ、「DMC-12」である。
正直なところ、パフォーマンスは大したことがなかったが、生産台数の少なさや映画の影響により、いまだカルト的な人気を誇っている。