ポット数を増やした分ばね下重量は重くなる
しかし、ポット数の多いキャリパーはそれだけ加工も複雑になり、部品点数も増え、大きくなるのでばね下重量も重くなる。
そこで軽量化のためにキャリパー本体をアルミ素材で作るのが標準的だが、アルミはスチールよりコストが高く、なおかつ剛性も劣るので、高性能車は剛性を確保するために、より高価なモノブロックのアルミキャリパーを使ったりするが、ファミリーカーにはそこまでのブレーキは必要ない。
多くの乗用車が採用しているシングルポットの片押し式キャリパーは、スチール製なので剛性もあり、部品点数が少なく、安価で、軽く、省スペースで済むメリットがある。とくにホイールとのクリアランスが少ない小型車には、内側にピストンがひとつだけしかない片押しキャリパーの利点は大きい。
結局、車重や動力性能にマッチしていれば、シングルポットの片押しキャリパーでも十分だし、逆にモータースポーツでガンガン使うのなら、ブレンボの4ポットキャリパーだって心許ないこともあるので、クルマの性能・用途に見合ったブレーキがついていることが一番重要。
ブレーキキャリパーのポット数=ピストン数が多ければ必ずしもエラいのではないということを覚えておこう。