次は筑波サーキットでその実力のすべてを味わいたい
プッシュボタン式のレンジセレクターでDレンジを選択し走り始める。スムースかつ静かな市街地走行が可能で、このクルマがスーパースポーツカーであることを忘れさせるほど扱いやすい。
サスペンションは前後ダブルウイッシュボーンで、これも伝統だった横置きリーフスプリングを廃止し、一般的なコイルスプリングを採用。また、GM(ゼネラルモータース)が誇る磁性流体を封入したショックアブソーバーによるマグネティックライドコントロールが採用され、ドライブモードに応じて最適に制御されている。
ドライブモードは通常、ツーリングモードとなっているが、ステアリングセンター左に設置されている「Z」スイッチを操作すると、あらかじめ設定しておいた「マイモード」の設定に加えてエンジンやトランスミッションの調整も可能となり、ダンパーの固さやエンジンレスポンス、サウンド、シフトプログラムが変化する。
とくにエンジンサウンドはドラマティックに変化し、アメリカンマッスルカーとして相応しいサウンドを発するようになる。
フロントサスペンションには3秒以内に車高を40mm高められるフロントリフトハイトアジャスターも備わり、段差での底つき性を向上させているのも有り難い。
今回、タイヤはミシュランパイロットスポーツ4Sを採用するなど、走りに対しては欧州のスーパーカーを本気で凌駕する意気込みであることが伺えた。
MRとなったことでデザイナーが理想とする前後重量配分40:60を実現し、高い旋回限界と操縦バランスを実現している。前モデルがル・マン24時間レースで見せた驚異的な速さを上まわるハイパフォーマンスカーとなったことは疑う余地がない。
あとは国内の筑波サーキットや富士スピードウェイでどんなラップタイムを叩きだせるのかが興味の焦点となるだろう。ライバルであるホンダNSXを上まわる性能を引き出せれば、筑波サーキット1分切りも夢ではない。それを試す機会が訪れることを切望している。