時代を先取りしすぎたSUVのオープンカーも登場
3)トヨタ・サイノスコンバーチブル
トヨタのコンパクトカー、ターセル/コルサ系のプラットフォームを流用したパーソナルクーペのサイノスは、スポーティなフォルムを持ちながらも実用車的な乗りやすさを持ち合わせたモデル。
そんなサイノスの2世代目に設定されていたコンバーチブルは、日本でコンバーチブル用の装備を持ったベース車を一旦アメリカへ送り、現地の架装工場でオープン化がなされた後に再び日本へ送り返すという非常に手間のかかる行程を経て生まれていた。
ベース車を架装したモデルでありながら、しっかりと型式認証を取得しており、ベース車がEL5#系なのに対し、コンバーチブルはEL5#C系となっていた。この辺りはさすがトヨタといったところだろう。ちなみに2代目サイノスの1.3リッターモデルには当時としてもかなり珍しい4速MTが設定されており、これをベースとしたコンバーチブルも同じく4速MTとなっていた。
4)日産ムラーノ クロスカブリオレ
元々は海外向けに作られた高級クロスオーバーSUVのムラーノ。しかし東京モーターショーに参考出品したところ反響が大きく、急遽日本仕様が作られたという逸話を持つモデルである。
そんなムラーノの2代目に設定されたオープンモデルがクロスカブリオレだ。残念ながら日本には導入されなかったが、北米市場向けに2011年から追加されたこのモデルは、ムラーノを2ドア化した上で電動開閉式のソフトトップを備えたもの。
これは世界初の「4WDクロスオーバーSUVコンバーチブル」であったが、市場からの評判は芳しくなく、2013年モデルをもって消滅。しかし、2016年にレンジローバー・イヴォークのコンバーチブルモデルが登場したことを考えると、時代を先取りし過ぎてしまったがための悲劇ともいえるかもしれない。