モンスターマシンはあだ名もモンスターだった!
3)ポルシェ930ターボ
「ウィドウ(寡婦)メーカー」という物騒な名前で呼ばれたのは、1975年にポルシェ911に追加された930ターボ。ターボエンジンによる異次元の加速感にリヤエンジンのシビアなハンドリングの組み合わせで、扱いを間違えば死に至る可能性があることを示していた。
その後も911GT2RSなど、ターボRRの高性能版にはこの言葉が授けられることがある。
4)アルファ・ロメオ SZ
1989年に発表されたザガート・デザインのアルファ・ロメオのスポーツカーSZについては、以前もアクの強いスタイリングを取り上げたことがあるけれど、生まれ故郷のイタリアでも同じ印象だったようで、「イル・モストロ(怪物)」と呼ばれた。
じつは時代の数歩先を見つめたデザインで、現在のほうがしっくりくる形であることは、以前のコラムで書いたとおりだ。
5)日産GT-R
現在の和製スーパースポーツの代表格である日産GT-Rもまた、海外では驚異的な存在に映ったようで、デビューの少し前にアメリカで制作公開された「ゴジラ」に例えられた。欧米のスポーツカーとは異なるスタイリングだけでなく、ツインターボ4WDというハイテクからも、そういう印象を受けたのだろう。
でもニックネームで呼ばれるというのは、個性が認められた証拠でもあるわけで、やはりGT-Rは日本人が誇るべきスポーツカーの1台だと教えられる。