メーカー保証なのに修理はディーラー？　クルマの「作る側」と「売る側」の「謎」の関係性とは (2/2ページ)

中古車の独自保証は販売店が負担している

　ですから、無償点検だからといって販売店の損になると思って遠慮する必要はありません。販売店はメーカーから費用が貰えるため、立派に収益構造となっているのです。

　もちろんメーカーから支払われる費用というのは、決まった金額ですし、想定されている作業時間が実情とかけ離れていることもあります。営業スタッフが対応する必要もあるため、リコールや保証修理が濡れ手で粟のごとく儲かるというわけではありませんが、新車が売れない時期には、こうした作業によるサービス収益というのは意外に無視できなかったりもするのです。

　一方、中古車の購入時など販売店が独自でつける保証については、完全に販売店負担となっています。新車のような感じで保証を受けられない印象があるかもしれませんが、お金の流れとしてはまったく異なるものなのです。

　ただし、中古車でも高年式の個体についてはメーカー保証が残っているケースがあり、正規販売店などで有料の点検を受けることで保証継承（新車保証の権利を引き継ぐこと）が可能です。

　中古車を購入する際には、メーカー保証が継承できることもしっかり確認すべきです。保証継承すれば、正規販売店に保証修理として持ち込むことができます。メーカー保証による修理は販売店の利益になりますから遠慮する必要はないのです。