減ってなお年間「5000件」も起こっている! 絶対許せない「車両盗難」最新手口と対策 (3/3ページ)

メーカーも本気で対策を講じているが……

 とはいえ、自動車メーカーもスマートキーの脆弱性を放置しているわけではない。自動車盗難では常にトップクラスの人気を誇るトヨタ・ランドクルーザーは、間もなく登場する新型において「指紋認証」によるキーシステムを採用するという噂もある。ただし、日本仕様ではなく、車両盗難対策のニーズが高い仕向け地向けという話だ。

 そのほか、声紋や顔といった生体認証を活用することで車両盗難対策とするアイデアは数年前から盛り上がっている。スマートフォンの顔認証の精度を考えれば、十分に盗難対策となることだろう。つまりスマートキー+生体認証を採用することで、ユーザーは利便性を損なうことなく盗難を防ぐことが期待できるのだ。もっとも、盗難する側も新技術に対応した手法を考えてくるもので、このあたりはいたちごっこになる可能性も否定できない。

 なにしろ、本気で盗もうと思ったら、ドアを開ける必要はない。

 筆者が過去に聞いた話でもっとも大胆だと感じたのは、レッカー業者のふりをした窃盗団が、あたかも修理用にクルマを運ぶようにして、駐車場からクルマを運んでいってしまったというもの。その様子を見ていた近所の人も、オーナーが修理を頼んだのだと合点して不審に思うこともなく、もちろん警察に通報することもなく、盗難は完了してしまったのだという。

 さすがに、そのレベルの窃盗団が狙うのはそれだけの手間とリスクに見合う価値がある車両であって、庶民には関係ない世界の話かもしれないが……。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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