いたちごっこは続くが盗難発生件数は減少
SNSなどで個別のケースが話題になることが多いため車両盗難は年々増えているように感じているかもしれないが、じつは自動車の盗難事件は減っている。
警察庁の発表によると、自動車盗の”認知件数”は平成15年(2003年)に6万4223件を記録したのをピークに減少傾向にある。令和2年(2020年)には5210件となり、ピーク時から比べると12分の1以下にまで減少しているという。
ちなみに、盗難のうち「キーあり」と分類されるエンジンがかかった状態、キーが運転席周辺に放置されている状態において盗難にあったケースは、大体25%前後となっていて、これはここ15年ほど変わらない。
つまりドアロックした状況での「キーなし」盗難が75%というわけだ。ちなみに、2020年の5210件のうちわけは「キーあり」が1307件、「キーなし」が3903件と発表されている。ちなみに、「キーあり」の盗難はドライバーの危機管理がなっていないというだけでなく、道路交通法でも「停止措置義務違反」となるので、けっして被害者というわけではなかったりするのだ。
こうした盗難の減少には、特定のキーでなければエンジンの始動やシステムの起動ができないイモビライザーの標準装備化が進んだことも影響しているだろう。
また、不正な手段でドアを開けるとクラクションが鳴り続けるセキュリティアラームを標準装備するクルマも増えている。いまや素の状態でも、盗まれづらい機能を持っているのだ。